大型車の車輪脱落事故は、一度起きると車両被害だけでなく、周囲の歩行者や作業者を巻き込む重大事故につながります。日常点検やタイヤ脱着後の管理を、現場で続けられる仕組みにすることが重要です。
なぜ日常点検の見える化が必要なのか
国土交通省の資料では、令和6年度の大型車の車輪脱落事故は120件とされています。件数は前年度から減少しているものの、車輪脱落事故は運送会社にとって引き続き重大な安全リスクです。
とくに、冬季やタイヤ脱着作業後の一定期間は、ホイールナットの緩み確認を日常点検の中で確実に行う必要があります。
事故の傾向から見る重点ポイント
国土交通省の傾向分析では、事故は冬季に集中し、車輪脱着作業後1か月以内の発生が多いとされています。また、令和6年度の事故では左後輪からの脱落が多い傾向も示されています。
つまり、冬用タイヤ交換後の一定期間、左後輪を含むホイールまわりを重点的に確認する運用が大切です。
日常点検で見るべきこと
点検では、ホイール・ボルトやナットの緩みだけでなく、錆、汚れ、損傷、増し締めの実施状況も確認します。国土交通省は、日常点検表を使ってディスク・ホイールの取付状態を確実に点検することや、マーキング、ホイールナットマーカー等を活用してずれを確認する方法を示しています。
緩み確認を見える化する考え方
点検で難しいのは、毎日同じ品質で確認し続けることです。経験のある整備担当者だけでなく、ドライバーや新人担当者でも異常に気づきやすくするには、目視で変化を確認できる状態を作ることが有効です。
マーキングやナットチェッカーのような点検補助具は、ナットの向きや位置の変化を見つけやすくし、点検のばらつきを減らすための補助になります。
ナットチェッカーでできること
ナットチェッカーは、ホイールナットの状態を目視確認しやすくするための点検補助具です。装着することで、日常点検時に「いつもと違う向きになっていないか」「ずれが出ていないか」を確認しやすくなります。
ただし、ナットチェッカーは締付け作業や増し締めの代わりではありません。規定トルクでの締付け、交換後の増し締め、日常点検とあわせて使うことで、点検運用を続けやすくする道具として位置づけるのが適切です。
導入前に決めておきたいこと
導入時は、対象車両、装着サイズ、重点確認する車輪、点検記録の残し方、異常発見時の報告ルートを先に決めておくと運用しやすくなります。複数台を管理する会社では、誰が見ても同じ基準で確認できるよう、写真付きの点検ルールや教育資料を用意しておくと定着しやすくなります。
まとめ
ホイールナットの緩み確認は、特別な日だけでなく、日常点検の中で継続することが重要です。ナットチェッカーは事故を防ぐと断定する装置ではなく、緩み確認を見える化し、異常に気づきやすくするための点検補助具です。
冬季やタイヤ交換後の管理を強化したい場合は、点検表、増し締め、教育とあわせて導入を検討してください。
参考
国土交通省「大型車の車輪脱落事故防止対策」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t2/t2-1/
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